「36の質問」を実験!大学生70人でやってみた結果と考察

大学生活

「たった36の質問は本当に効果あるのかな?どんな結果になるのかな?」

実際に大学でやってみたので、結果をまとめます!
みんな初対面、そしてzoomと対面、同性と異性の組み合わせでそれぞれ行いました。

結論を言うと、効果あります!!なんとzoomでも対面でも結果は変わりませんでした!
ではその結果を詳しく見ていきましょう~

36の質問とは?

すると必ず恋に落ちるとか、相手とすぐ仲良くなれるとか…

それも当然、心理学者のアーサーアーロン博士が1990年代に、人と親しくなる方法を理論化したものだからです!

“Sustained, escalating, reciprocal, personalistic self-disclosure”
「個人の相互開示欲を持続的に高め続ける」

論文から引用。 https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0146167297234003

相互開示欲とは、人と親密になる過程で行われる自己開示をお互いにしたい、と思うことです。自己開示を繰り返すことによって人は親密になっていきます。

実はこれは元々、大学生向けに作られたものでもあります。

やってみた方法

実験の内容

参加者を集め、事前にどんなことをするのか概要説明をしておきます。

実験当日はランダムに決められた席、ブレイクアウトルームに振り分けます。学年が近くなるようにしました。そのとき、36の質問とそれに関する指示が書かれた紙をいっしょに渡します。

いよいよ実験開始です。

36の質問は真面目にすると時間がかかるため、3つに分け、それぞれ25分ずつで区切って行いました。質問が最後までいったら、4分間パートナーと見つめ合います。その後アンケートに答えてもらい、実験は終了です。


※論文を参考にしつつ、運営しやすいよう少し変えて行いました。

アンケートの内容

実験後に答えてもらったアンケート項目は以下になります。

・第一印象

・実験終了時の印象

・また会いたいと思うか

・他の全ての人間関係と比較したときの、パートナーの位置(長い時間をかけて築く人間関係に対し、短時間でどの程度効果があるかの指標)

・他の参加者と比較したときの、パートナーの位置

・いっしょに仕事したいか(信頼関係がどの程度築けたかの指標)

・クラスメイトとして仲良くしたいか(関係の継続性の指標)

結果と考察

全体

【結果】

・第一印象が好印象だった人は全体の約61%だが、実験後では約 86%と増加し、「とても良い」の割合も増えた

・自身の人間関係と比較して約 67%が好意的で、パートナーへの満足度も約 70%と高い

・仕事仲間、友達としても好意的な気持ちを持つ割合が高い

zoomと対面の比較

【結果】

・対面の方がzoomより第一印象は残らないが、実験結果に両者の違いはさほど見られなかった

・自身の人間関係と比較した場合は、あまり変わらない結果だが、パートナーとして比較した場合、対面では感じ方が分かれる結果となった

【考察】

第一印象に違いがあったのはマスクの影響が考えられる。マスクをしている対面の方は、相手の顔を認識しずらく、「どちらでもない」と感じた人が多かった。しかし実験後の結果がほとんど変わらないことから、画面越しでもマスク越しでも36の質問の効果は有用であるといえる。

またパートナーの満足度に関して違いが見られたのは、zoomではブレイクアウトに分かれて本人たちのみの空間で行われたのに対し、対面は他の参加者がいる場で行われたことが関係している可能性がある。

パートナーが異性、同性の比較

【結果】

・同性、異性の場合においても実験終了時の印象は良くなっており、更に異性の方が印象の変化に幅がある

・全ての人間関係と比較した場合、同性の方は「どちらでもない」「とても良い」がほぼ同数だが、異性は「良い」が際立って高い

・パートナーの満足度に違いはなく、仕事仲間としては少し異性の方が好意的である

【考察】

異性の方が初対面と実験ごとで印象に幅があるのは大きな特徴である。同性の方が普段関わる機会が多く、パートナーと会話をして感じていく意外性や見た感じとのギャップが生じにくいことが一因としてあるのかもしれない。

また全体の傾向として、同性の場合ではパートナーに対する気持ちが異性の場合よりも冷めている。普段会話することの多い同性の場合だと他の人間関係との比較が自ずと生まれやすく、それだけ実験によって得られる効果の感じ方が比較的小さい。

まとめ

たったの1時間近くの実験で、相手の印象は前向きなものに変わりました!また長期的に今まで築いてきた自身の人間関係と比較しても、大差ないです。「36の質問」の効果は劇的なものだと言えます。

今回の実験で人と親密になることはそんなに難しいことじゃない、と証明されたのではないでしょうか!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!それでは~~~

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